回帰性リウマチとは、周期的に繰り返される急性の関節炎です。関節に痛みと腫れがある点では慢性関節リウマチと似ていますが、回帰性リウマチは短期間で症状が完全消失する点で違っています。
20〜50代で発症することが多く、男女の発症比率は1:1です。ここでは、回帰性リウマチの原因・症状・治療法についてまとめます。
回帰性リウマチの原因
回帰性リウマチは、原因が不明であり、診断基準も存在せず、治療する方法も確立されていない病気です。
回帰性リウマチの症状
回帰性リウマチとは、発作(急な発症)と症状の完全消失を繰り返す周期性の関節炎です。
発症する部位は、手指、手、肘、肩、足指、膝などで、股関節の場合もあります。発作は、典型的な例では、年に十数回程度です。
慢性関節リウマチの多くは多発性ですが、回帰性リウマチの場合、一度に発症するのは1カ所であることが多く、多くても2〜3カ所です。発症する度に発症部位が違うことも少なくありません。
回帰性リウマチでは、突発的に関節に強い痛みと腫れが生じ、多くの場合に赤みや熱も生じます。症状は1日から1週間ほどで消失し、他の合併症は伴わないことがほとんどです。痛みは関節リウマチよりも強いとされます。
回帰性リウマチを発症すると、関節リウマチの有無を調べる「血液検査(抗CCP抗体)」では約半数が陽性となります。
骨の変形や破壊は起きないため、レントゲン検査では異常は認められませんが、関節エコーで滑膜炎が確認されることがあります。
回帰性リウマチ患者は、全身状態が良く、発作後に障害が残ることもほとんどありません。
しかし、回帰性リウマチ患者の半数ほどが、後に関節リウマチを発症することから、回帰性リウマチの症状は、関節リウマチの初期症状である場合も少なくないと考えられています。
また、回帰性リウマチの発症後、難病に指定されている「全身性エリテマトーデス(SLE:膠原病の一種)」に移行するケースも、少ないながら存在します。
回帰性リウマチの治療
回帰性リウマチの発作は、短期間である上、障害が残ることもほとんどないため、ステロイド薬を使わないことが多いようです。
治療は非ステロイド抗炎症薬を用いますが、その効果は症状を軽減させる程度で、有効な治療法は確立されていません。
まとめ
発症したら、痛みがある部位になるべく負担をかけずに生活する以外、できることはあまりありません。
ただし、低い確率ながら、全身性エリテマトーデスに移行するケースがあるため、この病気の発症が集中している20〜40代の女性は、とくに注意する必要があるでしょう。