耳鳴りが起こるとキーンやゴーといった音が絶えず耳から離れず、とても煩わしいですね。耳鳴りを起こす病気は、いくつかありますが、中耳炎も耳鳴りを引き起こす病気の1つです。そこで、今回は、中耳炎で耳鳴りを起こす原因や治し方についてまとめます。
耳鳴りとは
実際には、何も音がしていないのに「キーン」「ゴー」「ジー」などといった音が聞こえる状態をいいます。難聴を起こすことに伴って、耳鳴りがするようになることが多いですが、難聴を伴わない場合もあります。
耳鳴りが邪魔をして、相手の話が聞き取れない、常に音がしているので、うるさくて仕事や家事に集中できないなど、日常生活にも支障が出ることがあります。
原因は?
中耳炎になった際も、耳鳴りの症状が現れる場合があります。しかし、どうして耳鳴りが起きるのか、そのメカニズムは未だに明確になっていません。
ですが、ある周波数の音が聞こえなくなると、脳がその周波数の音に対して過敏に反応するようになってしまい、音とは違う電気信号にも反応して、聞こえてしまうというのが有力な説です。
治し方は?
それでは、治し方を見ていきましょう。
中耳炎の治療
まずは、原因となっている中耳炎をしっかり治すことが大事です。状態に応じて、抗生物質による治療や鼓膜切開、鼓膜チューブ留置、鼓膜形成術、鼓室形成術などによって治療します。
薬物療法
神経細胞の健康を保つビタミンB12や血液の循環を良くするアデノシン三リン酸、その他、耳鳴りによるイライラ感や不安、不眠の改善に精神安定剤や睡眠剤などが処方されます。
TRT療法
最近「耳鳴り順応療法(Tinnitus Retraining Therapy)」と訳されるこの治療法が行われるようになってきています。耳鳴りについて詳しく理解することで、過度の不安を取り除き、サウンドジェネレーターという静かに雑音を流す器械をつけて、絶えず雑音を聞き続けることで、耳鳴りが気にならないようにする治療法です。
ツボ押し
自分でできる耳鳴りの対処法として、ツボ押しがあります。
聴宮
耳の穴のところにある突起の前辺りで、口をあけたときにへこむ部分が「聴宮(ちょうきゅう)」です。聴宮の少し上にある「耳門(じもん)」、聴宮の少し下にある「聴会(ちょうえ)」というツボも耳鳴りに効果があります。
翳風
「翳風(えいふう)」は、耳たぶの後ろのへこんだ部分にあります。ツボを押すときは、いずれのツボも指の腹でやさしく押したり、円を描くようにマッサージするように押しましょう。
まとめ
耳鳴りは、なかなか治りづらいといわれています。中耳炎の症状が現れたら、早期に耳鼻咽喉科を受診して、治療し、難聴や耳鳴りを起こさないようにしたいですね。