体の中には全身を栄養している血管が網羅されています。末梢で血管は毛細血管になり栄養を与え、老廃物を受け取る作業を行っています。
つまり、血管は全身を流れているのです。その特に足の方を栄養している血管が詰まってしまう疾患を「下肢閉塞性動脈硬化症」と言います。ここでは、下肢閉塞性動脈硬化症の原因や症状、治療法についてまとめていきます。
原因は?
原因は、生活習慣から来る既往の要因であったり、産まれ持っての血管の状態によります。しかし、一番の要素はそれまで培われた生活習慣によるものです。特に脳梗塞や心筋梗塞の疾患を持っている人は合わせて下肢閉塞性動脈硬化症を発症するリスクは高くなります。
それは、血管として全身に走っているのは同じ環境になるからです。生活習慣で血管内にアテロームが出来やすいとそこが原因で詰まりになります。その詰まりが心臓で起これば心筋梗塞、脳で起これば脳梗塞、そして下肢の欠陥で起これば下肢閉塞性動脈硬化症になります。
また、透析治療をしている患者さんはこの疾患になりやすいです。と言うのも本来老廃物として尿中に排泄されるはずのリンが血液中に高濃度に存在し、血管内に付着し血管を細めてしまうのです。血液中のリンの値のコントロールが悪い透析患者さんは下肢閉塞性動脈硬化症になるリスクが高まります。
症状は?
症状としてよく見られるのは、歩くと足が痛むというものです。始めは長距離に対して痛みが出ますが、次第に少しの距離を歩いただけで痛む様になります。
その為、少し歩いただけで休憩し、休憩すると又少し歩けると言う事を繰り返す、間歇性跛行という症状がでます。又足先までの血流が悪くなるのでどの季節でも足先が冷たいです。そして足背動脈が触れなくなります。
治療法や薬は?
治療に関してはカテーテルを通して血管を広げたり、ステントを入れて血管の内空を確保する方法が主流です。それも改善されない場合は血流のある血管からバイパスしたり人工血管を入れたります。
それよりも先に選択されるのは内服です。主なものは、アスピリンやシロスタゾール、チクロピジン等になります。血液をサラサラにさせて固まらない様にする事で血管が閉塞してしまうのを防ぎます。
これらの内服により普段の生活で出血があった時には止まりにくくなるというリスクがあります。血液をサラサラにさせる薬は数種類あり、他の疾患で処方される場合もあるのできちんと内服している事を申し出る必要があります。
まとめ
このように生活習慣が原因で起こる疾患の一つに下肢閉塞性動脈硬化症があります。足は第二の心臓と言われる位大事な部分になります。
下肢閉塞性動脈硬化症であると足の小さな怪我でもなかなか治らず、酷い場合には足の切断を余儀なくされる事もあります。そうならない為にも普段の生活を見直し、診断名が付いてもきちんと内服し適宜足のチェックを行う必要があります。