インフルエンザにかかると、高い熱に、全身のだるさや痛みなどさまざまな症状が出て、とてもつらい思いをします。
普段健康な方なら、体力もあり何とか乗り越えれば安心ですが、インフルエンザにかかって注意が必要な方もいます。それは、子供とお年寄りです。
ここでは、子供と大人のインフルエンザによる症状の違いに加えて、子供やお年寄りの方が感染してしまった場合や感染しないように注意すべきことについてまとめてみました。
子供と大人では症状は違う?
大人も子供も基本的に症状は同じです。インフルエンザウイルスをもつ人のくしゃみや鼻水などで空気を介して感染し(飛沫感染)、1日~3日ほどの潜伏期間を経て発症します。
症状としては、全身の倦怠感や関節の痛み、高熱、頭痛などが多く見られます。間違えやすい風邪との違いは、全身に症状がおよぶ点が挙げられるでしょう。
また、風邪は緩急的に症状が進行し、約1週間程度で収まることが多いのですが、インフルエンザの場合は、全身的な症状のほか、急激に症状が始まることと、完治まで約2週間ちかくかかることなど、比較的風邪より長期間治癒までに時間を要します。
子供と大人とでは、かかってからの症状ではとりわけ違いは見られませんが、子供、特に幼少期では、症状の進行が速いことがあります。熱っぽいと思っていたら、急に高熱になったり、ぐったりしてしまったりすることがあります。
また、子供は、大人よりも脱水症状を起こしやすいので、こまめに水分補給や栄養補給をしてあげることが大切です。スポーツドリンクや経口補水液などを活用して、脱水症状を防ぎましょう。
注意すべきことは?
先ほど、インフルエンザの症状に大人と子供で大きな違いはないと述べました。しかし、注意すべきことがありますので、お子さんや高齢者が身の回りにいらっしゃる方は以下のことによく注意してください。
まず、子供のインフルエンザで怖いのが、合併症です。インフルエンザの合併症として挙げられるのは、
- インフルエンザ脳症・脳炎
- 熱性痙攣
- 気管支炎
- 肺炎
- 中耳炎
です。特にインフルエンザ脳症では亡くなるケースもありますので、一人にせずこまめに観察してください。わけのわかならいことを言い始めた、外に出たがる、脅えるなどの行動が見られた場合は、すぐに病院に行き、症状と服用した薬などの情報を伝えてください。
一方、高齢者で注意すべきなのが、「二次性細菌性肺炎」です。高齢者がインフルエンザに感染することで、軌道粘膜や全身の抵抗力が低下するため、細菌に感染しやすくなります。こうした菌が肺に侵入することで肺炎が起き、死亡するケースが少なくありません。
したがって、高齢者の方も早めにインフルエンザや肺炎予防のワクチンを打つことをおすすめします。また、かかってしまったら、早めに抗菌薬による治療を行うことが大切です。
まとめ
一度かかっても何度でもなるインフルエンザ。辛いけどどうせ治ると油断せず、とくに小さいお子さんや高齢者が身近にいらっしゃる方は、自らが感染源にならないためにも予防することが大切です。
また、かかってしまっても、うつさないよう、マスクをする、同じ部屋にいない、換気をこまめにするなどして二次感染を防ぎましょう。