感染性胃腸炎とは、細菌やウイルス、寄生虫などの病原体が胃腸に感染し嘔吐や下痢などの消化器症状を引き起こす病気です。
感染の多くは食品や飲料などを通して経口的に人から人へ感染していきます。中にはペットから人に感染する場合もあります。食品や飲料を通して媒介すると集団感染になり食中毒と言われます。
目次
細菌性の場合
主にサルモネラ菌やカンピロバクター、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌などが原因として挙げられます。
細菌性胃腸炎は菌の入った食品を口にすることで感染します。よって複数人が同じものを食べた場合は集団感染しますが、感染者が菌をばらまいて感染を拡大させることはほとんどありません。
また、食べ物が十分に調理されていない時や、調理する側の手洗いがきちんとされていないことによって感染します。
加えて、細菌性胃腸炎は夏場に多い病気で、「夏の食中毒」の原因の多くはこの細菌性胃腸炎によるものですのでこれからの時期は注意しましょう。
サルモネラ菌とは
サルモネラ菌は鶏卵によるものが多いです。サルモネラ菌は犬やミドリガメなどのペットを介して感染することもあります。
カンピロバクターとは
カンピロバクターは、鶏肉から感染することが多いです。
腸炎ビブリオとは
腸炎ビブリオは、魚介類が主の感染源となります。
病原性大腸菌とは
腸管出血性大腸菌は、牛肉や未殺菌乳が主な感染源となります。
ウイルス性の場合
主にノロウイルスやロタウイルスなどが原因として挙げられます。
ウイルス性胃腸炎は人の排泄物や吐物内にウイルスが存在するためそれを介して人から人へ感染が拡大していきます。菌が口に入る前には必ず手を介しているので予防には手洗い・消毒が大事です。
ノロウイルスとは
ノロウイルスは冬期の食中毒の原因として最も多い病原体で生牡蠣などの二枚貝から感染した後、感染者の排泄物や吐物を介して人から人への二次感染により感染が拡大していきます。
ノロウイルスに感染した人がトイレにて排便した後、便座の蓋を閉めずに流すとウイルスが空気中に舞い上がり、次に使用した人が感染することもあります。
飲食店の調理師や家庭で調理を行う食品取扱者が感染した場合、その人を介して汚染された食品を口にすることで感染します。
また、ノロウイルスについては下記のページでも詳しく紹介しています。
ロタウイルスとは
ロタウイルスは便が白くなるのが特徴で、乳幼児がかかりやすく重症化すると脱水症になりますいため注意が必要です。
感染力も高く、感染の大半は糞口感染により起こります。成人も乳児に密接に関わることで感染しますが一般的に軽症で済みます。
また、ロタウイルスについては下記のページでも詳しく紹介しています。
寄生虫の場合
主にランブル鞭毛虫や赤痢アメーバなどが原因として挙げられます。
ランブル鞭毛虫とは
ランブル鞭毛虫は、腸内の粘膜に取り付いたり侵入したりして寄生します。主に人から人へ感染し、汚染された水から発生します。
赤痢アメーバとは
赤痢アメーバは、汚染された飲食物を介して感染し、胃腸だけでなく肝臓などの臓器にも感染します。
まとめ
ここで挙げたもの以外にも感染性胃腸炎の原因となるものは存在します。ただ、手洗い・うがい・消毒で防ぐことのできるものも多いですので、日頃からしっかりと予防に努めるようにしてください。