「いつの間にか蕁麻疹ができている」といった経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。蕁麻疹には痒みがつきものですが、中には痒みを伴わないものがあります。痒くない蕁麻疹の原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
機械的蕁麻疹
ベルトの締め付け、肩にかけた鞄のヒモなどがズレて蕁麻疹が引き起こされることがあります。このとき、気づいたら蕁麻疹になっていたということが多く、機械的蕁麻疹と呼ばれています。
他の蕁麻疹と同様に、短時間できれいに消えることが多い蕁麻疹です。軽く爪で皮膚を掻いたときに、赤い線ができて、腫れ上がってくるようなら、機械的蕁麻疹になりやすい体質と考えられます。
日光蕁麻疹
紫外線が強いと蕁麻疹ができてしまうという人もいます。その蕁麻疹はとくに日光蕁麻疹と呼ばれ、この蕁麻疹も痒みがないことがあります。
夏など、とくに日差しが強いときに何も対策をせずに外出したら、蕁麻疹ができていた、ということもありますので、日焼け止めなどを忘れずに使用しましょう。
寒冷蕁麻疹
冷たいものに触れたときに引き起こされる蕁麻疹を寒冷蕁麻疹と呼びます。
通常の蕁麻疹の場合、患部を冷やすことで早いうちに治療することができますが、寒冷蕁麻疹の場合はこの応急処置が使用できません。
そのため、寒い時期に発症したとき、非常に厄介なものです。とくにしもやけと区別が付きにくいこともあるので、注意が必要です。
その他の蕁麻疹では?
実は、「何が原因であっても痒みを伴うこともあれば、痒みが全くない」ということがあります。蕁麻疹は主にヒスタミンと呼ばれている物質が原因で引き起こされています。
ヒスタミンは皮下細胞で生成、分泌されることが多い物質で、主に血流の働きに関わる物質です。ヒスタミンは過剰分泌されるとアレルギー反応を起こすことで有名な物質です。
そして、このヒスタミンが分泌されると、大小を問わず痒みを伴うことが一般的です。感覚的なものになるため、個人差が大きいのです。
ご紹介した蕁麻疹の症例は、「痒みを伴うことが少ない蕁麻疹」で、人によってはひどい痒みを感じることもあります。
最後に
蕁麻疹は、原因が多数にわたる症例ですが、対処方法は痒み止めや抗炎症薬を使用するなどで共通しています。
原因は個人により異なるため、蕁麻疹を早くに治したい場合は、自分の体質について、よく把握しておく必要があります。また痒みを伴っている場合は、決して患部を触ってはいけません。症状を悪化させていまします。
体質的に蕁麻疹ができやすいという人も注意してください。「いつものことだから」といって放置していると慢性化してしまい、ときに蕁麻疹が完全に消えるようになるまでに時間がかかることもあります。
蕁麻疹ができたときは、必ず皮膚科などで相談して必要な処置を受けるようにしましょう。