蕁麻疹は数十分から数時間以内で治ることが多いので、あまり長引くイメージを持っている人は少ないかもしれません。しかし、ときに蕁麻疹は非常に長く続くことがあります。
蕁麻疹がなかなか消えない原因には何が考えられるのでしょうか。また、その対処法にはどのようなものがあるのでしょうか。
蕁麻疹のメカニズムは?
蕁麻疹は赤く膨れ上がるように皮膚が腫れ、痒みを伴うことが一般的です。このときの皮膚の腫れ上がりは「膨疹 (ぼうしん)」とも呼ばれており、ホームページを解説している病院などでよく見かける言葉です。
草むらに入ったときに皮膚が腫れ上がったり、虫刺されで腫れ上がったりするときにも使用されている言葉です。
蕁麻疹が起きるメカニズムは解明されているものの、その原因は実に多岐にわたっています。
体質的なものやアレルギー性のもの、食べ物由来のものなど、数え上げるとキリがなく、また個人差も大きいために蕁麻疹が出たからといって、原因を特定することは皮膚科の医師でも困難を極めます。
しかし、通常では放置していても数日以内できれいに無くなってしまうことが多いのも特徴です。
慢性蕁麻疹の可能性も!
そんな蕁麻疹でも、なかなか消えないことがあります。また、一度消えても何度も再発を繰り返すということもよく耳にする話です。
比較的短期間できれいになくなってしまう蕁麻疹は急性蕁麻疹と呼ばれており、1ヶ月以上にわたって蕁麻疹が残っていたり再発を繰り返す場合は、慢性蕁麻疹と呼ばれています。
慢性蕁麻疹の対処法は?
慢性蕁麻疹の場合、原因となっているものや誘発要因を突き止めるまで、痒み止めなどで対処していくしか方法がありません。
例えば、アレルギーが原因だとしても、食べ物関係のアレルギーだけでも、卵や大豆、小麦やそば、ナッツといった有名なところから、肉や魚、果物や野菜など、あまり聞かないようなアレルギーまであります。
加えて、食べ物以外にも、ハウスダストや花粉、太陽光やタバコの煙などもありますし、自分の汗でアレルギーを起こしてしまうこともあります。
中には温暖差アレルギーといったものも確認されていて、アレルギーの原因も人の数だけ存在すると言っても言い過ぎではないほどあります。アレルギー性のもの以外にも、心因性の蕁麻疹もあります。
このように蕁麻疹の原因は非常に多いため、蕁麻疹が慢性化している場合、アレルギー検査を行なう、蕁麻疹が出たときの食べ物を記録するなど、「根気強く蕁麻疹の誘発要因を突き止めていく」必要があります。
また、全く別の病気が原因で蕁麻疹が症状として表れることもありますので、一層の忍耐強さが求められることになります。
最後に
蕁麻疹だからといって軽視していると、慢性化を引き起こすリスクが高くなります。
とくに「いつものことだから」といって放置したままでいると別の皮膚病を招くこともありますので、数日で蕁麻疹が消えないときは、必ず医療機関、特に皮膚科などで相談するようにしましょう。
それでも蕁麻疹が消えないときは、別の検査を行なうなどの対応が必要になってきますので、早めの対応を心がけていきましょう。