花粉症になると様々な症状が現れます。くしゃみ、鼻水、鼻づまりは代表的な症状ですが、咳や発熱など思いも寄らないことが起こる場合もあります。
鼻水と熱が出てきたけれど、これは風邪なのか花粉症なのか区別がつかない、何てこともあるのです。今回はとくに風邪と間違えやすい花粉症の症状のひとつ、「発熱」について調べてみようと思います。
目次
花粉症の原因
花粉症は植物の花粉によって起こるアレルギー性鼻炎の中の疾患をいいます。その原因物質の花粉のことををアレルゲンと呼びます。花粉症の原因植物であるアレルゲンは、日本では約60種類もあり、一年中何らかの花粉が飛んでいるのです。
とくに多いのがスギ花粉で、花粉症の人の約70%はスギによるものだといわれています。スギ林の面積は国土の12%を占めており、花粉症の人は全国に2000万人以上いるといわれているため、国民病ともよばれているのです。
花粉症による熱の原因と対処法
花粉症による熱の原因
花粉症の人が急激に大量の花粉をあびると、身体がその状況について行けず、過剰に反応して発熱してしまうことがあります。身体の免疫力が低下していると、とくに熱が出やすくなります。その他の原因としては、
- 鼻づまりによって呼吸しにくくなり、脳に充分な酸素が届かないため
- アレルギー反応で敏感になっている鼻やのどに細菌がついて炎症が起きてしまう
などになります。
花粉症で熱が出たときの対処法
対処法1.解熱剤を使用する
花粉症によって引き起こされた発熱への対処法にはいくつかあります。その一つが、風邪を引いたときと同じように解熱剤を使用することです。
熱さえ下がれば良いという人にお勧めの方法ですが、根本的な対処とは言えません。効果が切れたら、再び熱に悩まされるようになります。
対処法2.鼻づまりを解消する
花粉症による発熱は、アレルギー反応の一つと述べましたが、対処するには同じアレルギー反応である鼻づまりなどを解消するようにすることで、発熱への対処法になります。
鼻づまりが続いている場合、鼻の粘膜に原因となる花粉が付着している状態が続くため、アレルギー反応は止まることがありません。そのため鼻づまりを解消すると同時に発熱も治まることがあります。
鼻づまり解消には、鼻周辺を温める、体自体を温める、鼻づまり解消薬を服用するなどの方法がありますので、自分の体質にあった方法で解消していくと良いでしょう。
対処法3.安静にする
花粉症によって、さまざまな症状が引き起こされている場合、そもそも体の免疫力が低下していることも多くあります。
それが原因で熱が出ていることもありますので、安静にすることも花粉症による発熱への対処法になります。
しかし、多くの場合は、ひどい鼻水や鼻づまりを伴っているでしょうから、安静にする前に薬などを服用すると良いでしょう。
とくに鼻づまり解消薬には、眠気を誘う成分が含まれていることが多いので、安静にすることで薬の効果を高めることができます。
花粉症による微熱が続く原因と対処法
花粉症による微熱が続く原因
花粉症の症状というと、一般的によく知られているのは鼻水やくしゃみが止まらないことではないでしょうか?そもそも、花粉症でなぜこのような症状が出るのか、その原因を説明していきます。
花粉症といっても、発症する原因となる花粉は人によって異なりますが、メジャーなものとしては、スギやヒノキ、ブタクサなどが挙げられます。
こうした花粉は通常人体にとって異物ではないのものですが、蓄積量や体質などによって、いつしか花粉を異物だと脳が認識してしまうようになります。
脳が花粉が入ってきたときに人体にとって有害なものが侵入したというサインを発すると、体内で異物に反抗しようという成分が出されます。
この成分を「Ige抗体」といい、鼻や目の粘膜にある肥満細胞と結合してヒスタミンを放出します。その結果、体外に異物を出そうとする手段としてくしゃみや鼻水が出るのです。
花粉症で微熱が生じるのも、そうした異物を排出しようとする働きの一環として起こる場合と、鼻の炎症によって脳への酸素供給が滞ることが原因となっている場合、2つの理由が考えられます。
花粉症による微熱の対処法
では、花粉症で微熱が起きてしまった際、どのように対処すれば良いのでしょうか?一見、「花粉症で熱?」と疑問に感じて、風邪だと思われるかもしれません。
風邪との決定的な違いは、風邪はウイルスの侵入によって起こる症状ですので、風邪薬を服用することで治ります。しかし、風邪薬を服用しても何日も症状が改善しない場合は、花粉症の可能性があります。
また、風邪の鼻水はドロドロとして粘性があり、病気の経過とともに形状も変わっていきます。一方、花粉症による鼻水はサラサラと水っぽく、すっても垂れてくるのが特徴です。こうした違いで判断してみましょう。
対処法としては、ウイルスが原因ではないため、風邪薬では治りません。したがって、アレルゲンの原因となっている花粉の体内への侵入を抑えることが最優先となります。
ですので、花粉をブロックするマスクや、服やふとんなど肌に触れるものを花粉の時期はなるべく外に干さない、市販の花粉対策グッズを使用するなどがおすすめです。
また、近年注目されている「甜茶(てんちゃ)」には、ポリフェノールの一種である「Galloyl Oxygen Diphenyl」が含まれており、この成分はヒスタミンの分泌を抑制する効果が報告されています。
甜茶は、コンビニなどでも飴や飲料として販売されていますので、そうした市販品もうまく活用できると良いですね。
花粉症と風邪の違い
風邪と花粉症の違いを見てみましょう。
花粉症の症状の特徴
- サラサラとした透明な鼻水が出る
- 鼻の粘膜が腫れて鼻がつまる
- くしゃみが立て続けに出る
- 目のかゆみが現れる
- 乾いた感じの咳が出る
- のどが痛がゆい
- 微熱が続く
- 鼻や耳がかゆくなる
- 肌がカサカサする
風邪の症状の特徴
- 始めはサラサラの鼻水だが徐々にドロっとして黄色い色のついた鼻水に変わってくる
- 黄色っぽいタンが出る
- 湿っぽい咳が出る
- 熱が急に上がってくる
- 節々が痛む
- のどが痛くて炎症が起こる
風邪と花粉症の大きな違いは、かゆみが出るか?にあります。ほどんどの風邪はかゆみが現れることが少ないからです。
熱の出方にも違いがあります。風邪の場合は高い熱が出て短期間で治まりますが、花粉症の場合は微熱が一週間以上続いたりします。
花粉症のセルフケア
花粉症は簡単に治る病気ではありませんが、自分でできる対処法があります。何もしないよりかなり症状が軽減するので、ためしてみてください。
- マスクやメガネをつけてから外出する
- 外から帰ったら玄関で花粉を払ってから家の中に入る
- 家に帰ったらすぐにうがいや洗顔、手洗いをする
- 掃除するときは花粉が飛び散らないように、ドライシートなどでからぶきしてから掃除機をかける
- この時期は毛羽だつような洋服を着るのはやめて、ツルツルした素材の物を選んで着る
最後に
花粉の季節は花粉症のある人だと憂うつになってしまいますが、日頃から栄養バランスの良い食事をして、充分な睡眠をとっていることで症状を出にくくすることが出来ます。
毎年ひどいようなら、早めに耳鼻科で相談してみましょう。早めに薬を飲むことで症状を和らげることができます。