脳梗塞は、脳の血管が詰まる病気です。脳に血液が十分に届かない状態が長時間続くことで、その部分の脳細胞が壊死して回復することが困難になってしまいます。脳梗塞はいったいどうして起こるのでしょうか? 今回は、脳梗塞の原因について見ていきたいと思います。
脳梗塞が起こるとどうなるか?
脳梗塞は、血液のかたまりができて脳の血管内に詰まったり塞がることで、脳細胞に酸素や栄養を与えることができなくなり、脳に障害を受ける病気です。
脳がダメージを受けると、以下のような症状が現れます。
- ろれつが回らなくなる(構音障害)
- 言葉が出なくなる(失語症)
- 顔にゆがみが出る(片側顔面麻痺)
- 片方の目に膜がかかったように見える(一過性庄内症)
その他にも、人の言うことがうまく理解できない、物が二重三重に見える、思うように文字が書けないなどの症状が出ます。このような症状は一過性脳虚血症発作といいます。
脳の血液の流れが一時的に滞ったときに現れますが、20〜30分、あるいは1日程度で血栓が溶けるとともに、これらの症状は落ち着いてきます。
そのため、大したことではないだろうと見逃してしまう人が多いのですが、これはれっきとした脳梗塞の症状です。この時点で脳の専門医に受診することが、今後の治療に大変影響してきます。
そのまま放置しておくと、数日から半年以内に脳梗塞発作を起こしてしまいます。本人もさることながら、家族や周りの人たちも気をつけなければなりません。
脳梗塞の原因は?
脳梗塞を引き起こす直接的な原因は、「血のかたまり」になります。では何故このような血のかたまりができるのでしょうか?それにはいくつかの危険因子が大きく関係しています。
高血圧
高血圧は脳梗塞の大きな危険因子になります。高血圧になり血管が厚くなると、血液の流れが悪くなって血管が弾力を失ったり、血管の内壁が狭くなる動脈硬化が起こります。動脈硬化が脳内にできることで脳内の血管に血栓ができ、脳梗塞を起こしてしまうのです。
糖尿病
糖尿病は、血液中の血糖値が高くなる状態が続く病気です。糖尿病になると血管が拡張しにくくなったり、血管や細胞が傷つけられて動脈硬化が進行します。さらに血液がかたまりやすくなることも脳梗塞の誘因となります。
脂質異常症
中性脂肪やコレステロールなどの血液中の脂質が多すぎる脂質異常症も、動脈硬化を起こす原因になります。血液脂質には総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪などがあります。
LDLコレステロールが増えると血管内壁にアテロームができて、脳梗塞が起こりやすくなります。その他にも善玉と呼ばれるHDLコレステロールが少なくぎることで、余分なコレステロールの回収がうまくできなくなって動脈硬化が進行してしまいます。
大量の飲酒
大量にお酒を飲むことで血液の凝固を促進したり、脱水症状になって脳梗塞まねく原因となります。
肥満
肥満やメタボは、確実に脳梗塞のリスクを高めます。肥満が直接脳梗塞につながるわけではありませんが、肥満によって高血圧や糖尿病、脂質異常など、どれも脳梗塞の発症を招く危険因子を誘因しやすくなります。特に内臓脂肪は動脈硬化を促進させ、脳梗塞の発症を高めることがわかっています。
まとめ
脳梗塞の危険因子を見てきましたが、上記にあげたもの以外にも運動不足やストレス、その人の性格や感染症など他にも考えられる原因がいくつかあります。
脳梗塞を予防するためにも、日ごろから運動を取り入れるなど生活習慣に気をつけて、ストレスなど溜めないような生活を心がけるようにしましょう。