お腹が痛いというと食べ過ぎや食中毒などを疑いますが、盲腸も忘れてはならない腹痛の原因のひとつです。盲腸は誰にでも起こる病気ですが、突然予告無くやってくると、どうしたらいいのかと慌ててしまいます。今回はそんな時に役立つように、盲腸の治療法について調べてみました。
目次
盲腸とは
盲腸と呼ばれる虫垂は、大腸の始まりにある突出した部分で腸管の一部になります。通常は右の下腹部に存在しています。急性虫垂炎(盲腸)は、虫垂の内部で細菌が増殖して炎症が起こった状態をいいます。
検査と診断
問診
いつから腹痛が始まったか、どの辺がどんな風に痛むのか、他にどんな症状があるのかを問診します。
触診
マックバーネー点と呼ばれる上前腸骨からへそに向かって1/3の辺りを押し、痛みの有無やその程度を調べます。
検査
血液検査
白血球が増加して炎症反応があるかなどを確認します。
腹部超音波・腹部のCT
虫垂の腫れや壁が厚くなっていることなどがわかります。
治療法
急性虫垂炎の治療法は大きく分けて2つに分かれます。
手術
手術で炎症を起こしている虫垂を切除する、最も確実な治療法です。これまでは、盲腸というと開腹手術が一般的でした。
ですが、最近では、身体への負担が少なく、術後の回復が早いため、お腹に小さな穴を数カ所開けるだけで行える腹腔鏡下手術が増えてきました。
薬物療法
程度の軽いものは抗生剤を使用することで、保存的に治療することが多くなっています。初期段階であれば手術療法と同じくらいの効果があります。
よく「薬で散らす」と言われている治療法がこれです。ただし抗生物質の投与のみで治療した場合、再発する確率は高くなってしまいます。
急性虫垂炎の治療法は、発症してからの経過時間、炎症の進行度、穿孔があるか、虫垂炎を繰り返しているかなどを踏まえた上で判断していきます。
手術方法
開腹手術
腰椎麻酔を行い、下腹部を約5-7cm程度切開して虫垂を切り取る方法です。昔からある一般的な手術方法です。子供など、人によっては全身麻酔下で行う場合もあります。入院期間は約一週間になります。
腹腔鏡下手術
お腹に5mm-1cmの穴を3ヶ所ほど開けて、腹部鏡というカメラをお腹の中に入れ、カメラで見ながら虫垂を切り取る方法です。
開腹手術より入院期間も短くなり身体の負担が少なくなるので、最近ではこの治療法が増えてきています。
治療後の食事
治療後の食事ですが、腸内環境を整えてくれるものを積極的に食べるようにしてください。
具体的には、
- 納豆やヨーグルトなどの乳酸菌類
- サツマイモやこんにゃくなどの食物繊維を豊富に含んだもの
- キノコ類や海藻類などのカリウムを含んだもの
がおすすめです。
最後に
「盲腸くらいなら心配しなくても大丈夫」という人もいますが、それは初期段階に発見されて治療できた上での話しです。盲腸も放置して治療が遅くなると、腹膜炎などの怖い合併症を引き起こすことがあります。
そうなると、簡単な手術では済まずに重篤な状態になって、入院期間も長期に渡ります。盲腸も早期発見、早期治療が非常に大切になるのです。