急性白血病には「急性リンパ性白血病」と「急性骨髄性白血病」の2種類があります。その中の急性骨髄性白血病の方が発症頻度が高く、白血病の中の約6割を占めていて、年齢が上がるにつれ発症率が上がります。
不治の病のイメージが強かった白血病も医療の進歩により治療成績は向上していますが、気になる事の一つは罹患した場合の生存率だと思います。ここでは、急性骨髄性白血病の生存率について見ていきましょう。
急性骨髄性白血病について
血液は骨髄系とリンパ系の過程の中で作られますが、その骨髄系の過程で白血球や赤血球、血小板になる細胞ががん化することで発症するのが「急性骨髄性白血病」です。
中でも、白血球が作られる過程でがん化した細胞が無制限に増殖することで発症する事が多く10万人に2~3人の割合と言われています。
高い年齢層に発症する事が多い事、また、急に症状が現れ進行がとても速い事が特徴ですので、早期の発見・診断・治療が生存率や予後における重要なポイントになります。
生存率は?
多くのがんの再発は5年以内であることが多いので、治療によりガン細胞が消失してから5年間再発が見られない場合、「治癒」とみなし5年生存率が治癒率の目安となっています。
65歳以上の高齢者の場合発病した年齢や持病の有無などにより、「5年生存率」は大きく異なります。急性骨髄性白血病では強い抗がん剤を併用した治療が必要ですので、積極的な治療を行えない患者さんの場合は5年生存率が低下します。
更に年齢層が高くなった場合は強い副作用の出る抗がん剤での治療はむしろ避け、生活の質を優先させた治療方針を取ります。20代の患者さんは体力があり、強い抗がん剤や様々な治療を試せる年代であるため完治が十分に望むことが出来ますので5年生存率が高く、今後も治療効果上がっていく可能性があります。
抗がん剤は若い細胞に対し高い効果が望めるため10代の患者さんの5年生存率は高く15歳未満の小児では8割近い数値になっています。白血病は治療のコントロールが難しいがんであった時期がありましたが、現在では5年生存率が今後上昇していく事が望める疾患であると考えられています。
まとめ
白血病の治療では抗がん剤の使用が主流となり、何種類かの抗がん剤を使用する多剤併用療法を行います。そのため、その治療に耐えられるだけの体力があるか、元々の持病が治療に影響しないか、という事が年齢層と共に生存率に影響しているようです。
急性骨髄性白血病の治療法は今も日々進歩しています。生存率はあくまでも一般的な数値であり、全ての患者さんに当てはまるものではありません。数値だけにとらわれず各々にあった治療を選択し病気を克服していく事が大切な事と言えます。