原因や症状をお話ししたので、実際の治療法について書いていきたいと思います。原因や症状の現れ方によって、治療法は変わってきます。おうちでもできる症状が改善する方法だったり、実際病院で行われる治療についてお話ししていきたいと思います。
食事療法
まず第一選択とされるのが食事療法です。入院した場合、1日目は白湯のみ摂取可能で、それ以外は絶食となります。
消化管の安静を図ることが目的とされ、幼児や高齢者は水分の欠乏・電解質の喪失や栄養不足に敏感であることから、ブドウ糖や乳酸加リンゲル液の点滴静脈注射が行われます。
2日目以降は症状に応じて重湯やスープなどが提供され、症状緩和に応じてお粥や柔らかい野菜などが提供されます。
自宅で療養中の方には、胃を刺激しないもの・胃酸の分泌を高めない物を摂取することが望ましいとされています。
脂肪分の多い肉や油で炒めたもの、揚げたりしたものを避けるほか、香辛料・アルコール飲料・コーヒーなどは禁止とし、酢の物・繊維の多い食事・極端に熱いものや冷たいものは避けるようにしてください。
薬物療法
細菌性腸炎の場合には、ニューキノロン薬か抗生物質が有効とされています。下痢は有害なものを排出しようとする人体の自然防御反応であることから、初めの2日間くらいは下痢止めを用いないのが原則とされています。また乳酸菌などの整腸剤を与え様子を見ることも多いです。
嘔吐に対する治療
吐き気や嘔吐が激しいと、制吐剤の注射や内服、または坐薬が処方されます。嘔吐が反復すると脱水状態となり、血清電解質が低下するので、生理食塩液や各種電解質の点滴静脈注射が実施されます。
自宅で嘔吐が反復する場合には口の渇きを訴えることがあるが、そこで水分を摂取してしまうと、嘔吐を誘発することが多いです。
しばらくはなにも与えないで、うがいをしたり、氷を口の中に含ませると気分が和らぐことがあります。また、みぞおちの辺りに小さな保冷材や濡れたタオルを乗せておくと吐き気が楽になることもあります。
腹痛時の治療法
腹痛時は心身の安静のため、ベッドに横になってもらいます。体勢は本人の楽な体勢でよいとされていますが、膝部を屈曲させ腹壁の緊張を取り、上体もやや前屈させた体勢が楽とされています。
腹痛の場合は腹部を温め、緊張を和らげることもありますが、湯たんぽや電気毛布を使用する際は、直接皮膚に当たらないようにし、低温やけどに注意することが必要とされています。
まとめ
急性胃腸炎の症状に対する治療を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?病院での治療から自宅でできることまで紹介しました。この病気に限らず、下痢や嘔吐、腹痛は他の疾患でも現れる症状なので、対処法をぜひ覚えていてくださいね。