朝、すっきり目覚めた日は、何かいいことが起きそうな、そんな気分にもなるくらいいいものです。そんな大切な朝の目覚めに吐き気がするなんて、一日ドンヨリな気分になってしまいます。今回は、朝起きると吐き気がする原因と対策法をまとめます。
原因
朝起きると吐き気がする原因は、いくつかあります。
低血圧症
低血圧とは、血管内を流れる血液の圧力が正常の値より低い状態を言います。
低血圧は、心臓や腎臓など内臓になんらかの病気があって生じる場合もありますが、明らかな病気があるわけではないけれど、血圧が低い場合もあります。
自覚症状のない場合もありますが、めまいや立ちくらみなどの症状が出る場合もあります。
低血圧の場合、全身の血液循環が悪いので、胃への血液の循環が悪いことで、胃の働きが悪く、胃の内容物の消化が終わらず、朝起きたときに吐き気をもよおします。
逆流性食道炎
胃酸や消化途中の食べ物が食道に逆流してしまい、食道粘膜が炎症を起こす病気です。
症状としては、胸焼けや酸っぱいものがこみ上げる感じがする(呑酸)などがあります。症状がひどくなってくると、吐き気や嘔吐が起きてきます。
脂肪分の摂りすぎや食べすぎ、肥満、加齢、姿勢などにより、下部食道括約筋という食道と胃のつなぎ目にある筋肉がゆるんでしまい、胃から食道へ逆流してしまいます。
通常、下部食道括約筋は、食べものが食道から胃へ食べものが落ちる時はゆるんで、その他のときは、食道をしめて、胃から内容物が逆流しないようにしています。
膵炎
食べ物を消化する酵素を分泌したり、血糖をコントロールするインスリンなどのホルモンを分泌する膵臓が何らかの原因で自らが分泌する酵素で膵臓自身の細胞を消化し始め、炎症を起こし、膵臓の細胞が壊れて硬くなってしまう病気です。
飲酒や脂っこいものを食べた数時間後、お腹が痛い、吐き気がする、また、朝起きた時、腹痛とともに吐き気がある場合は、膵炎の可能性もあります。膵炎の場合、嘔吐しても腹痛は続きます。
ストレス
体はどこも悪くないのに、朝起きると吐き気がする場合、過度のストレスにより、自律神経のバランスを崩して、胃酸を過剰に分泌している可能性もあります。
対処法
それでは、それぞれの対処法をみていきましょう。
低血圧症
食事に、たまねぎやしょうが、にんにくなどの血行を良くする食品を積極的に摂るようにしましょう。
特に、低血圧の人は足先の血行が悪い場合が多いため、足先のマッサージを行って、血行をよくすると良いでしょう。ウォーキングなどの適度な運動も効果的です。
逆流性食道炎
もともと日本人には少ない病気といわれていましたが、近年、増えつつあるのは、食生活が欧米化してきたことにより、脂肪分の多い食事が増えてきたことも要因のひとつといわれています。
まず、逆流性食道炎が疑われたら、早期に病院で診察を受けましょう。脂肪分やたんぱく質の多い食事を摂り過ぎないように気をつけましょう。
また、一度の食事量は、腹八分目を目安にして、食べすぎには注意です。適度な運動で肥満を解消しましょう。
アルコールには、胃酸の分泌を増やす作用、下部食道括約筋をゆるめる作用があるため、できるだけ控えたほうがよいです。
コーヒーや緑茶のカフェインは、胃酸の分泌を増やすため減らしたほうがよいですね。さらに、前かがみの姿勢は、極力避けましょう。寝る時も、上半身を少し高くして寝ると逆流が起きにくいといわれています。
また、逆流性食堂炎について詳しく知りたいという方は下記のページをご覧ください。
膵炎
膵炎が疑われたら、重症になる前に、早期に病院を受診することが重要です。アルコール・タバコをやめる、脂っこい食事を控える、香辛料や炭酸飲料など刺激のあるものは控えるのが効果的といわれています。
ストレス
ストレスによる吐き気には、ストレスを溜め込まないことが必要です。仕事や勉強の合間に休息をとるようにしましょう。
自分のリラックスできる音楽を聴いたり、アロマオイルをたいたりしてゆっくり体を休めることが大切です。
また、食事は3食しっかりとり、お風呂タイムも湯船に浸かって、体をリラックスさせましょう。睡眠時間をしっかりとることも大切です。
この食事時間、お風呂の時間、睡眠時間は、自律神経の副交感神経の働きで、その日のストレスを心身ともにリセットする大事な時間となります。
まとめ
朝の吐き気は、心身からのSOSです。朝のすっきり目覚めが吐き気で台無し!なんてことが続かないよう、生活習慣を改善して、目覚めすっきりを目指しましょう。生活習慣を改善しても吐き気が続く場合は、早期に病院を受診しましょう。