舌の先が痛かったり、ピリピリとしびれたりすると気になって食事の美味しさも半減してしまいます。舌の先が痛くなったり、ピリピリとしびれる病気にはどんなものがあるのでしょうか?詳しく見ていくことにしましょう。
アフタ性口内炎
口内炎は、口腔の病気の中で最も多いもので、粘膜が赤くなってしみる程度のものから、水疱や潰瘍ができてしまうものまでいろいろとあります。その口内炎の中でも最も多く再発しやすいものが「アフタ性口内炎」です。
アフタとは何かというと、表面が薄いグレーから黄白色の美膜に覆われた大きさ5~6mm以下の口腔粘膜の浅い潰瘍性の病変で、これより大きく深くなると潰瘍と呼ばれるようになります。
アフタ性口内炎ではこうしたアフタ病変が口腔内に1~2箇所できてきますが、縁が周囲の粘膜より赤くなり、物が触れたりすると強く傷んだりします。
このアフタ病変が、唇や頬の内側の粘膜にできたりしますが、舌先にできたりすることもあり、そうすると舌の先が痛くなり、何かを食べて食べ物が接触するとなおさら痛く感じるようになります。
原因としては、過労や精神的ストレス、胃腸障害、ビタミン不足、ウイルス感染、月経や妊娠による内分泌異常などにより誘引されると言われています。特に舌先に黄白色の小さい粘膜疹ができて、痛みを伴うものはアフタ性舌炎と呼ばれます。
舌痛症
口腔異常感症の1つで、歯科口腔科の心身症とも呼ばれるものです。口腔内や舌を診断しても腫瘍や炎症が見つからないのに、痛みや乾燥感、知覚過敏、麻痺感、違和感などを感じるものが口腔異常感症と呼びます。
そして、その中でも、舌先や舌の縁の部分に疼痛とヒリヒリ感じやピリピリ感といった知覚過敏の症状を感じるものが、「舌痛症」と呼ばれます。この痛みやピリピリ感じは、食事中はほとんど変化がないか、消失する場合が多いのが特徴になっています。
原因は、ストレスや不安、恐怖、几帳面な性格、完全癖などの心理的要因と身体的要因が重なって起こってくると考えられています。
手足口病
春から初秋にかけて、1歳から6歳の子供に流行するもので、主に4歳以下の乳幼児に多くみられ、口の中や頬、唇の内側の粘膜の他、舌などにも1~5mmの大きさの水疱ができて痛みます。
原因は「コクサッキーウイルスA16型」や「エンテロウイルス71型」といったウイルスの感染に起こってきます。2~7日の潜伏期間をおいて、手や足、口に水疱ができてきます。
鵞口瘡
「鵞口瘡(がこうそう)」は、口腔カンジダ症とも呼ばれ、カンジダという真菌の一種が口腔粘膜や舌で増殖する病気で、カンジダ性口内炎とも言われ、口内炎の一種としても扱われたりします。
カンジダ自体は口の中にいる常在菌ですが、なんらかの原因で口腔粘膜などの抵抗力が低下すると、口腔粘膜、特に多発するところとしては、頬の内側や唇の粘膜、舌などがあります。
こういった部分に灰白色から乳白色の膜が点状や地図上に付着してきて、痛みはそれほどないのですが、ざらざらしていて、物を食べたときにしみたりします。
原因は口腔内を賦活にしていたり、膠原病やエイズのような免疫不全を伴う病気にかかっていたりすると起こりやすくなります。
まとめ
舌の先が痛い場合、多くはアフタ性舌炎を含むアフタ性口内炎ですが、特に何の所見もみられない場合は、舌痛症の場合もあります。それ以外にも手足口病や鵞口瘡がありますが、症状の出方の特徴を覚えておくと良いでしょう。