「夜眠りたくても中々眠れない。寝付けるのは朝方」「夜眠れないから朝起きれない」どんなに努力しても頑張っても修正出来ないのは病気かもしれません。怠けてるんじゃないんです。本人は本気で悩み傷付いています。
ここでは、そんな夜眠れない・朝起きれない病気の代表とされる「睡眠相後退症候群(DSPS)」についてまとめていきます。
DSPSの症状は?
DSPSというと少し難しい名称ですが、分かりやすく言うと「昼夜逆転」です。
ただ、その原因は単なる生活習慣や夜型人間とは異なり、人間が本来眠りたい時間に眠ることが出来ず、かといって、どんなに努力しても本来起きるべき時間に起きることが出来ない病気です。
また、本人も家族も病気だと思っていない可能性が高い病気でもあります。目覚ましを何個セットしても起きれません。家族が起こしても起きません。
目が覚めても疲労感が強く、睡眠時間は取れているのにその眠りが浅いため、日中の眠気や頭痛、倦怠感、食欲不振などの症状が見られます。
この病気は解明されていない部分も多く、診断する専門医も少ないことから、実はこの病気なのに不眠症などと「誤診」されていることも非常に多いと言われています。
発症する時期や不眠症との違いは?
発症は思春期に多いとされていますが、大人になってからも「うつ病からの合併」や「不規則な生活を繰り返し、それが定着してしまって元に戻せなくなり発症する」ということがありますので、誰でも発症する可能性があると言えます。
不眠症との大きな違いは、DSPS患者は本人が眠れる時間(深夜2時〜早朝6時の間が多いと言われています)、この時間になると布団に入って普通に眠ることができます。
途中覚醒などもなく、本人の起きる時間(お昼前後)に起きることができます。おおよそ平均睡眠時間は10時間です。睡眠時間だけを見るとよく眠れています。
ただこれでは正常な社会生活は送れないため「早く寝よう」「早く起きよう」とありとあらゆる努力をしますが、ほとんど効果はなく「自分はダメな人間」「怠け者」と思い込んだり、周りから言われたりしてしまいます。
「その日は寝不足でも朝7時に無理やり起きればその日の夜は普通に眠れるのではないか?」普通の人ならこれが可能です。
ですが、DSPSの人はそう簡単にはいかず、以下のようなサイクルを繰り返します。
- 朝早く無理やり起きて寝不足でその日を過ごしました。
- 夜が来ました。「今日こそ早く眠れるだろう!」と思い布団に入りました。
- ですが、頭は冴え全く眠ることはできません。
また、ひどい場合は普段眠れる時間になっても眠ることが出来ず、時間が更に後ろへ後退してしいます。無理をすれば更なる悪化を招いてしまうのです。
治療法
残念ながら一般的な治療は極めて困難だと言われています。様々なリラックス方法や睡眠薬はほとんど効果がないそうです。
何よりもDSPSであるという医師の診断にたどり着かなければならないので、自分の睡眠パターンなどから可能性があると気付いたら、専門医がいる病院を受診する必要があります。
精神科や心療内科が浮かびがちですが、睡眠外来と掲げている病院が一番です。地方などでなかなかそのような病院がない場合は、大学病院や国立・市立病院に専門医がいないか確認してみるといいと思います。
まとめ
ネット検索をすれば治療法など様々な情報が出てきますが、素人判断で安易に行ってはいけません。悪化を招く可能性が極めて高い病気だからです。この病気かもと思ったら、まずは起きる努力をするのを止めましょう。そして、病院を探して受診しましょう。
今現在不眠症と診断され服薬している方でも「もしかしたら私ってこれかも!?」と思う方もいらっしゃると思います。そういった方も近くに睡眠外来のような病院があればセカンドオピニオンで受診してみるのも必要だと思います。