「陥入爪(かんにゅうそう)」とはあまり聞いたことがない方も多いと思いますが、その名が示す通り、爪が皮膚に陥入して炎症を起こしたり、化膿して芽肉ができたりしている状態のことです。
巻き爪を伴うことが多いのですが、爪が巻いていないこともあり、原因と治療法は異なりますので注意が必要です。ここでは、そんな陥入爪の原因をはじめ、手術にかかる費用や保険適応の有無、再発の可能性についてまとめます。
陥入爪の原因
陥入爪の原因としては、爪の切り方が間違っていることが大部分を占めています。つまり、爪を伸ばしていると爪先にゴミが溜まりやすくなるので私たちはつい深く爪を切ってしまいがちですが、この深爪が陥入爪の原因の第一番に挙げられます。
一般的に爪はスクエアカットいって、爪の角の部分を残して切るのがよいのですが、無理に爪と皮膚の間に爪切りを押し込んで斜めに切り込むと、角にトゲができ、そのトゲが皮膚に刺さって陥入爪となるのです。
また、爪白癬などの爪水虫の治療過程においては、白癬菌に侵され変形した爪により皮膚が変形してしまっていることが多く、そこへ正常な爪が生えてきて皮膚に刺さり炎症や、感染症を起こすこともあります。
陥入爪は巻き爪と似ていますが、巻き爪は爪が巻いている形状を指すのに対し、陥入爪は爪がトゲとなって皮膚に刺ささり、炎症や感染症をおこし、芽肉ができている状態を指します。
必ずしも爪が巻いているとは限りません。巻き爪は痛みが伴わないこともありますが、陥入爪は痛みを伴います。
陥入爪の治療法は?手術しなくちゃダメ?
陥入爪は再発の可能性が高いため、根治させるには爪母という爪を作っている爪の根元の部分の切除が必要になります。爪母を切除してしまうと、切除した部分の爪は生涯生えてきませんので、爪の幅が狭くなります。
トゲとなって刺さっている部分の爪の切除のみでは一時的に痛みは緩和できますが、爪は再び生えてきますので、再発の可能性が高いのです。
軽度なものならトゲとなって刺さっている爪を外側へ弾き出すことで治癒することもありますが、基本的に陥入爪は通院による治療が必要です。
保険も適用となりますし、治療費用は症状によって異なりますが自己負担率3割の場合、手術費用・初診料・処方料金などすべて込みで1万円から2万円とみてよいでしょう。
また両足の爪の手術の場合入院となりますので、入院設備のある病院で治療する必要があります。その際は入院費も別途かかります。治療後は再発予防のため原因となっていた深爪などをしないように気を付けることが大切です。
切除以外ではフェノールという皮膚組織破壊作用のある薬品を使う方法もありますが、作用が爪以外にも及ぶなどの理由からあまり行われていないようです。
まとめ
爪がしっかりしていないと歩行にも支障をきたします。歩くことは健康な生活を送るうえで基本中の基本です。歩けなくなってからでは手遅れです。陥入爪や巻き爪だけでなく、その他にも爪の病気はたくさんありますので注意してください。