過呼吸という病名は、多くの人が知っていることでしょう。しかし、実際にどのような状態になっているのが過呼吸とよばれるものか、死亡することはあるのかなど、詳細なことを知っている人は少ないのではないでしょうか?ここでは、そんな過呼吸について見ていきます。
過呼吸とは
過呼吸とは、過呼吸症候群・過換気症候群とも呼ばれている病気で、不安感が強い人、パニック症と診断されている人など精神的ストレスがトリガーになったり、激しい運動などが原因で過呼吸が引き起こされます。
過呼吸になっているとき、体内では二酸化炭素濃度が低下しており、このことによって血管が収縮し、血流も滞ってしまいます。
こうなるとボーッとしたり、手足のしびれがでたり、体が動かしにくくなったり、息苦しさを感じたりと様々な症状が表れます。
過呼吸による息苦しさは非常に強く、「このまま死んでしまうかもしれない」などの強い恐怖や不安感が襲うことも多く、パニックに陥ってしまうことも珍しくありません。
過呼吸での死亡率は?
過呼吸は死に至るような病気ではありません。あくまでも過呼吸になってしまっている人が「死ぬかも」と強い恐怖心に支配されることが多いというだけです。
しかし、二酸化炭素濃度が低下することによって隠れていた疾病が表面化し、一気に進行して死亡するケースはあります。
また、パニック状態や判断力の低下などによって、交通量の多い道路へ飛び出して行ったり、転倒して頭を強く打ち付けるなどで死亡することもあります。
このように、過呼吸を引き起こした場合、適切に対処しないと二次的な作用によって死に至ることがあります。
過呼吸の対処法は?
過呼吸の対処法といえば、口元に紙袋を当てて自分の息をもう一度取り込むペーパーバッグ法が有名だと思いますが、現在、この方法は推奨されていません。
吐いた息には二酸化炭素が多く含まれていることから採用されていた方法ですが、二酸化炭素を取り込みすぎたり、誤った当て方で窒息してしまうなどの被害が確認されてからは、別の方法が推奨されるようになりました。
その方法は、浅くゆっくりと呼吸をすることです。過呼吸に陥っている中、息苦しさを感じながら浅い呼吸をしろというのは非常に難しいことかもしれません。
そこで重要になるのが周囲の協力です。過呼吸になっていると思ったら、迷わず周囲に助けを求めるようにしましょう。助けを求められた場合は、過呼吸になっている人を落ち着かせることから始めることが大事です。
息を吐くことを意識させながら、浅く呼吸をするように促してやることが、過呼吸の対処法として推奨されています。
浅く呼吸をすることが難しいなら、数秒間、息を止めるのも一つの方法です。このときも決して独力でやろうとしないように注意しましょう。過呼吸では気を失うこともありますので、必ず周囲の助けは必要になります。
まとめ
過呼吸の多くは、過度の不安などの精神的なストレスが原因の多くとなっています。そこで精神科や心療内科を受診して、抗不安薬を処方してもらうことも選択肢に入れても良いかもしれません。
薬に頼りすぎてしまうと耐性ができてしまい、効果を充分に発揮しなくなりますが、過度な不安を感じないようにするには、医師と相談しながら改善していくのが一番の方法です。
抗不安薬の中には、頓服として服用できるものもありますので、自分にあった方法で精神的ストレスを取り除いていくようにしましょう。