普段あまり気になることのない耳の中。そんな耳の中にもかさぶたができることがあるって知っていましたか?ちなみに、あることに気づいてしまうと、気になってついついいじってしまったりしていません。
そんな耳の中のかさぶたには、どう対処するのが良いのでしょうか?ここでは、耳の中にかさぶたができる原因と対処法についてまとめてみました。
原因
かさぶたとは、ただ単に「血が乾いて固まったもの」ではありません。かさぶたができるのは、動物が体を守るために備えた大切なものなのです。
私たちの体に傷がつくと出血します。このとき流れ出した血には刺激物質が含まれていて、これが血小板を刺激します。すると、血小板は形を変えて傷口をふさぐために凝固し始めます。こうして血小板が凝固し、傷口をふさぎ始めると、今度は血球が集まって血餅を作り、傷口を完全にふさぎます。血球には赤血球が多く含まれているため、かさぶたは赤い色をしているのですね。
かさぶたはこうして傷口をしっかりとふさぎ、細菌などが侵入することを防ぐほか、開いてしまった傷口がくっつくまで固定する役割も持っているのです。ですから、傷口がないと血液はかさぶたにはならないのですね。ただ乾いて固まってしまうだけなのです。
さて、このかさぶた、耳の中でも同じように傷口を守る役目を持っています。そうです。耳の中のかさぶたは、傷をつけてしまうことで出血したり、分泌物が出たりすることでできるのです。では、どんなときに傷がつくのでしょうか。
耳掃除
好きな人はとても好きな耳掃除。毎日でもしたくなります。でも、耳のためには毎日はしない方が良いんです。耳掃除をする場所は外耳と呼ばれています。外耳には「耳垢腺(じこうせん)」と呼ばれる腺があり、ここが皮脂やタンパク質を分泌して耳垢となります。実はこの耳垢も耳を守る役目を持っているのです。
耳はとてもデリケートな部分ですから、柔らかい分泌物で守っているのですね。ですから、全部きれいに取り去ってしまうことは、かえって耳を無防備にしてしまうことになります。耳掃除の理想的な回数は、1〜2週間に1回くらいです。そして、この耳垢を取るために綿棒や耳かきでゴシゴシこすったりすると、耳の内壁が傷ついてしまい、そこから出血してかさぶたとなります。
一度できると、かゆくなったり、耳かきにコツコツとあたったりして、気になってしまいますから、ついつい。いじってしまい、ついにはかさぶたをはがしてしまって、またそこが出血し、あたらしいかさぶたになって、と悪い循環をするうちに、細菌やカビが繁殖して外耳炎などの耳の病気を引き起こしてしまいます。
外耳炎
外耳炎からかさぶたになってしまうこともあります。外耳炎はかゆみや不快感を伴いますから、つい指でかいたり、いじってしまい、傷がつくことで、かさぶたになります。
対処法
耳の中にかさぶたができてしまったら、いじらないことが何よりも大切です。もし出血してしまったら、消毒液をしみこませた綿棒でそっと傷口をぬぐい、その後は、とにかくそっとしておいてください。かゆみがあっても、触ってはいけません。
また、外耳炎などで膿がひどく出るときは、早めに病院へ行き、お医者さんに取ってもらってください。自分で取ろうとすると、かえって耳の中に傷をつけ、外耳炎が悪化することがあります。
いじらなければ、数日で治ることがほとんどですから、少しつらいですが、頑張ってそっとしておきましょう。
まとめ
耳の中のかさぶたは、耳掃除や外耳炎で耳の中を傷つけてしまうことが原因です。もしかさぶたができてしまったら、いじったりしないで、治るまでそっとしておきましょう。