PM2.5と聞くと真っ先に思い浮かぶ国は中国ではないでしょうか。では、中国とPM2.5はどのような関わりを持っているのでしょうか。ここでは、中国から来るPM2.5の原因と影響について解説していきます。
中国のPM2.5
昨年のクリスマスには「南京の空が美しい紫色に染まった」と話題になりましたね。ときに幻想的な風景を見せてくれるPM2.5ですが、成分によっては体に悪影響を与えることもあるので注意が必要です。
PM2.5の原因
中国から来るPM2.5の主な原因は、自動車の排気ガスや工場から出る排煙、石炭の燃焼などです。
現在でも、空気の汚染は進んでいて、昨年末には2,000以上の工場が操業停止を余儀なくされたほどです。(首都の北京ではWHOの基準値の50倍ものPM2.5が観測されています。)
また、北京市経済情報化委員会が、工場の温室効果ガスの排出を促しているようですが、改善にはもう少し時間がかかるようです。
PM2.5の影響
PM2.5は人間をはじめ、様々なものへと影響を及ぼす物質です。ここでは、健康への影響と健康以外への影響を、それぞれ紹介します。
健康への影響
微粒子が呼吸によって体内に取り込まれることで、鼻・喉・気管・肺といった呼吸器に影響が出ます。特にアレルギー性鼻炎や喘息といった症状が出ることが多いです。
その他にも、咳やくしゃみ、鼻水といった軽い症状から、心臓疾患や脳卒中、肺気腫や肺癌といった重い症状まで、PM2.5が原因となって起こる健康被害は多岐にわたります。
健康以外への影響
健康以外にも、PM2.5は様々なものに影響を与えます。例えば、農作物の成長不良が引き起こされたり、野生動物の生態系に影響を与たりといったことが挙げられます。
その他にも、金属を腐食させたり、塗装を劣化させたり、視界を悪くさせたり、太陽光を遮断させたりすることもあります。
さらに、これらが原因となって、建物の老朽化が進んだり、飛行機などの交通の便に影響が出たりすることもあるようです。
最後に
今や「世界の工場」となり、日本をはじめ、多くの国々の発展を支えてくれている中国ですが、一方で、環境に悪影響を与えている国の1つとなってしまっています。
ただ、経済云々の話になると、個人でどうにかできるレベルの話ではないですよね。ですので、PM2.5をなるべく吸い込まないようにするというの個人でできる唯一の手段なのではないかと思います。