女性の体は敏感なため月経の他、妊娠や出産に伴いホルモンバランスが崩れることがあります。ホルモンのバランスが崩れると血流が悪くなったり、冷え性や生理痛、更年期障害などに繋がります。
このようにホルモンバランスが崩れて起こる症状には漢方薬で改善することができます。今回は、そんな症状におすすめの「四物湯(シモツトウ)」の効果や副作用について解説します。
効果
四物湯は、4種類の生薬を配合した血液の循環を促し体を温める効果のある漢方薬で、主に生理不順や生理痛、更年期障害、貧血症状、冷え症、しもやけ、しみ、指掌角皮症(主婦湿疹)などに効果のある漢方薬です。
生薬の当帰(トウキ)は血液量を増加させ、体を温めるほか、鎮痛・鎮静効果があり痛みを取り除いてくれる作用があります。川芎(センキュウ)は血液の循環を促し生理痛など痛みを鎮める効果があります。
芍薬(シャクヤク)は体に溜まった熱を取り除いて更年期障害に起こりがちなのぼせを改善して痛みを取り除く作用もあります。地黄(ジオウ)は体の血液循環を促し、体調を整える効果が得られます。
生薬はそれぞれの効果を体の各部で発揮して症状を緩和してくれます。漢方薬は体質で選びますが、四物湯は女性向けの漢方処方で貧血や冷え性、顔色が悪く皮膚が乾燥気味の人に適した処方となっています。
1日の用量を2回〜3回に分割して、食前か食後2時間〜3時間後の食間に内服するようにします。漢方薬は効果が得られやすいように空腹時に内服すると効果が得られやすくなります。
副作用
生薬を主成分とする漢方薬は副作用が起こることは少ないでしょう。主な副作用は、食欲不振や胃の不快感、吐き気、嘔吐、下痢などの症状が現れることがあります。
このような症状が出たら内服を中止して医師や薬剤師に相談するようにして下さい。また、胃腸虚弱や下痢、嘔吐など症状がある方は慎重に内服するようにしましょう。
持病があり、他に薬を併用している方は副作用が起きないように医師や薬剤師に相談してから内服して下さい。他の薬剤で発赤や発疹などアレルギー症状を起こしたことがある方は内服前に医師や薬剤師に相談するようにします。
1ヶ月程度内服しても改善しないときは他の病気の可能性もあるので医療機関を受診するようにしましょう。
まとめ
四物湯は女性に適した漢方薬で血液循環が低下した人に処方される漢方薬です。妊娠・出産など女性の体はその時々で変化するためホルモンバランスが乱れることがあります。
このような症状は薬剤で効果が得られないことがあり、生薬を配合した漢方薬で改善が望めるでしょう。漢方薬で改善しない時は無理せず医師を受診してきちんと検査を受けるようにして下さい。