睡眠不足は日常生活に様々な支障をきたします。症状が進行すると日常の生活だけでなく自律神経が乱れて心の病を誘発する原因にもなります。
日常生活を快適に送るために睡眠は重要ですが、不安や緊張で寝つきが悪いなど症状がある時は薬に頼り眠りを誘うのもひとつの方法です。今回は、数ある睡眠誘導剤の中からハルシオンの効果や副作用について解説します。
効果
ハルシオンはトリアゾラムを有効成分とするベンゾジアゼピン系の睡眠誘導剤で、不眠症や麻酔前投薬に使用される薬です。脳が緊張したり、興奮すると脳内の神経伝達を介して情報が伝わります。
脳が興奮したままでは脳の神経が疲労してしまい抑制する物質が必要になります。神経受容体のひとつにγ₋アミノ酸のGABA受容体があり、この受容体が情動機構を抑制する働きをします。
またGABA受容体の結合する場所にはベンゾジアゼピン受容体が存在し、脳内のベンゾジアゼピン受容体が活性されることで脳の緊張や不安を抑制して脳の活動を鈍くすることで眠りを誘います。
ハルシオンは即効性に優れ半減期が短いのが特徴で寝つけるまでに時間がかかるという方に向いたお薬です。内服後、素早く眠気を起こし入眠障害に効果を発揮して翌朝も不快感や眠気が起きにくい薬です。
就寝前に1回1錠を内服すれば速やかに眠れるようになります。入眠時障害以外で、夜中に起きてぐっすり眠れないなど異なった症状がある方は医師と相談して他の睡眠薬で対応しましょう。
副作用
比較的安全な薬ですが、注意を守って内服するようにして下さい。ハルシオンの副作用はめまい、ふらつき、倦怠感、眠気、頭痛、頭重感などです。
その他、食欲不振や悪心・嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状や肝機能値の上昇、血圧変動など見られることがあります。この様な症状が見られたら内服を中止して医師・薬剤師に相談するようにしましょう。
重症な副作用は稀ですが、ショックやアナフィラキシー様症状が出ることがあります。顔面蒼白や蕁麻疹、全身紅潮、血圧低下、呼吸困難などの症状がある時は直ちに医師の診察を受けるようにして下さい。
薬剤アレルギーや重症筋無力症、急性狭隅角緑内障の方はハルシオンを内服することにより症状が悪化する可能性があるので内服は禁忌となっています。
また、肺気腫や肺性心、気管支喘息など呼吸器系の疾患がある場合は炭酸ガスナルコーシスを起こす恐れがあるため医師の指示に従い内服して下さい。持病があり他に内服薬がある場合も医師や薬剤師に相談してから内服しましょう。
まとめ
就寝前に入浴したり、リラックスする努力をしても寝付けないときはハルシオンを使用するのが効果的です。入眠時の寝つきを助けて速やかな睡眠へと誘ってくれます。睡眠薬にはいくつか種類があるので医師や薬剤師に相談して自分に合った睡眠薬を処方してもらいましょう。
また、ハルシオンに関する情報は、以下の2つの記事でも紹介しておりますので、併せてご覧ください。