体内の水分バランスが崩れる原因のひとつに吐き気や下痢などがあります。この様な症状は誰でも経験したことのある身近な症状です。
五苓散料(ゴレイサンリョウ)は、症状を緩和しながら体内の水分を調節してくれる漢方薬です。植物由来の生薬配合で体力に関係なく使用できるため小さな子供から内服可能となっています。
今回は、五苓散料の効果や副作用について解説します。
効果
五苓散料は、体内の水分バランスを整えてくれる漢方薬です。水様性下痢や急性胃腸炎に伴う口渇、尿量の減少、頭痛、下痢、嘔吐、吐き気、めまい、浮腫み等に効果を発揮します。
また暑熱障害による熱疲労、熱射病や日射病、熱痙攣などの症状にも五苓散料が効きます。そのほか車酔いや船酔い、二日酔いなどから起こる吐き気などにも使用される薬です。
以上に挙げた症状から体内の水分バランスに問題があると判断した時は五苓散料が用いられます。
漢方薬は通常、患者様の体力や全身状態を見極めてから投与しますが、五苓散料は体力の有無に関係なく使用可能となっています。そのため低年齢の子供でも安心して内服することができます。
五苓散料には植物由来の5つの生薬が配合されています。
- 沢瀉(たくしゃ)
- 蒼朮(そうじゅつ)
- 猪苓(ちょれい)
- 茯苓(ぶくりょう)
- 桂皮(けいひ)
沢瀉や猪苓、茯苓には利尿作用があり、尿量の減少や抗炎症・抗鎮痛作用があります。蒼朮には整腸作用や健胃作用、桂皮は解熱・鎮痛作用があります。
五苓散料は利尿作用のある生薬を中心に配合された漢方薬で消化管の運動機能やアルコール代謝に働きかけます。小児にも内服可能な漢方薬で、1日2回を食前か食間に定められた用法・用量で服用します。
副作用
漢方薬は比較的副作用の少ない薬剤ですが、主な副作用として胸のむかつき感や胃の不快感、食欲減退、発赤・発疹などが挙げられます。
また重篤な副作用はほとんどみられませんが、肝機能障害など症状が表われることが稀にあります。
現在、医師の治療を受けている方や併用している漢方薬がある方、妊娠中や妊娠の可能性のある方など医師や薬剤師に相談してから内服するようにして下さい。
五苓散料を1か月間内服しても症状が改善しないときは医師や薬剤師に相談しましょう。
水様性下痢や暑熱障害で投与した場合5-6日間、二日酔いや急性胃腸炎で5-6回内服しても効果が表われない時は内服を中止して医師の診察を受けたり、薬剤師に相談するようにして下さい。
まとめ
五苓散料は低年齢や体力に関係なく内服できる漢方薬です。体内の水分バランスに異常がある時に使用できる漢方薬で水分が関係する病気に使用されます。
漢方薬は副作用の少ない薬剤ですが、用法用量を守り効果が見られないときは速やかに専門家に相談するようにしましょう。