不規則な生活や疲労、ストレス、肥満、喫煙、飲酒など不整脈に繋がる原因は多くあります。
不整脈の種類は数多く存在しますが、内服薬などで治療を必要とするものや放置しても問題のない不整脈などさまざまです。不整脈のなかには命に関わるような重大な種類があり、早めに処置や治療を行なわない場合、生命に危機を伴うことも考えれます。
今回は、不整脈のなかでも重大な不整脈の治療に用いれれるアンカロンの効果や副作用について解説します。
効果
アンカロンはアミオダロン塩酸塩を有効成分とする不整脈の治療剤です。
主に心室細動、心室性頻拍、心不全(低心機能)又は肥大型心筋症に伴う心房細動など生命に危険のある再発性不整脈、他の抗不整脈薬で効果が得られない場合や使用できない場合などの治療薬として用いられます。
不整脈は脈拍のリズムを司る刺激伝導系の異常で起こりますが、刺激伝導系に異常が起こるとリズムが乱れたり、一定のリズムで機能しなくなります。
アンカロンの有効成分は異常になった刺激伝導系に作用して心拍を抑制するなど心拍をコントロールする働きがあります。効果に優れた抗不整脈薬で他の薬で対応できないときに用いられます。
導入期には、成人に対して1日400mgを1回~2回に分けて1~2週間内服します。維持期では、1日200mgを1回~2回に分けて内服します。
内服用量・用法は年齢や症状により増減します。
不整脈薬の内服は自己判断で内服せず、必ず医師の指示に従い内服するようにして下さい。
副作用
アンカロンは効果に優れた薬剤ですが副作用も起こりやすいため、状態の変化や併用薬などに注意しなければなりません。
主な副作用は、甲状腺機能異常、角膜色素沈着、血清T3値の上昇、T4値の増加、TSHの上昇など見られます。
その他、悪心・嘔気、嘔吐、便秘、食欲不振、胃部不快感などの消化器系症状、QT延長、房室ブロック、洞機能不全、脚ブロックなど心電図異常、肺機能障害や喘息、甲状腺機能検査値の上昇、肝機能値の異常など現れることがあります。
重大な副作用として間質性肺炎、肺線維症、肺胞炎など咳、呼吸困難、捻髪音(肺の異常な呼吸音)など症状が見られた場合は内服を中止してステロイド療法など適切な処置を行うようにして下さい。
また、現在発症している不整脈の重症化、)劇症肝炎、肝硬変、肝障害などにも注意します。
甲状腺機能亢進症や甲状腺炎、甲状腺機能低下症など甲状腺機能値の異常が見られることがあり、重症化することがあるので定期的に甲状腺機能検査を受けるようにして下さい。
少ない頻度で、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)が現れることがあるので、低浸透圧血症を伴う低ナトリウム血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、痙攣、意識障害等の症状に注意するようにします。
重篤な洞不全症候群のある方や2度以上の房室ブロックのある方、ヨウ素に対する過敏症の既往歴の方、リトナビル、サキナビル、サキナビルメシル酸塩など内服している方はアンカロンの内服は禁止されています。
アンカロンでは副作用が起こりやすいことから併用薬に注意する必要がありますが、アンカロンと併用を禁止されている薬剤や注意しなければいけない薬剤など多くあります。
重大な副作用に繋がらないためにも他に内服している薬剤がある場合は、必ず医師に伝えるようにして下さい。
抗不整脈薬を内服している期間は、心電図検査や胸部レントゲン検査、血液検査など定期的に行うようにして状態を観察するようにしましょう。
まとめ
アンカロンは重篤な不整脈に効果的な薬剤です。優れた効果が得られる反面、副作用や併用薬に注意する必要のある薬剤でもあります。
心臓疾患が原因で重大な不整脈を起こしてしまうことがあるので、病気にかからないようにすることが大切です。
食事の欧米化や運動不足、喫煙、ストレスなど生活習慣病が原因で心疾患に繋がることがあるので、定期的に健康診断を受けたり、日常生活を改善するなど体調を管理するようにしましょう。