医薬品を服用したことにより体内で効果があらわれる仕組みは様々なものがありますが、1種類の医薬品につき1つの効能とは限りません。
今回はひとつの薬であるにも関わらず、全く違う方面の疾患に対して効果を示すアマンタジン効果や副作用について解説します。
効果
アマンタジンは、パーキンソン病(パーキンソン症候群)・脳梗塞後の意欲や自発性低下の改善・A型インフルエンザ感染症に対して効能・効果がみられます。
アマンタジンは、脳内で作られるドーパミン(神経のはたらきを活発にするアドレナリンの一種)の量を増やすと共に、ドーパミンの働きを高める作用があります。
パーキンソン病では、脳内の神経伝達物質ドーパミンが不足しているため、体がスムーズに動かなくなったり、手の震えや体のこわばり・動作が鈍くなるという症状がみられます。
アマンタジンは、ドーパミンの放出を促進することで、そのようなパーキンソン病の症状を改善するよう働きかけます。
副作用
主な副作用としては、過敏症状(発疹などのアレルギー症状)・悪性症候群・皮膚粘膜眼症候群・中毒性表皮壊死症をおこすことがあります。このような症状がみられる場合には直ちに使用を中止し、すぐに医師に相談しましょう。
また、不眠・不安・幻覚・妄想・めまい・意識障害・せん妄・錯乱・運動失調・見当識障害・頭痛・かすみ目・けいれん・動機・胃腸障害(口の渇き・便秘・下痢・食欲不振・吐き気・腹痛など)・倦怠感・下肢のむくみ・肝(腎)機能障害・不随意運動・尿失禁といった症状がおこることがあります。
まれに気分の高揚や多幸症があらわれることもありますので、このような症状がある場合にも医師に相談しましょう。
注意点
アマンタジンにはいろいろな剤型があり、初期は1日1〜2回を食後に維持量が決まってからは1日に2回服用する、ということが原則です。
ただし、1日あるいは1回の服用量、服用時間、服用回数、服用期間については医師または薬剤師の指示に従いましょう。
また、この薬を使用して過敏症状をおこしたことのある方や、妊婦または妊娠する可能性のある方は使用できませんので事前に医師に報告するようにしましょう。
A型インフルエンザウイルス感染症にこの薬を用いる場合は、服用後に異常行動などの精神・神経症状があらわれた例がありますので注意するようにしてください。
小児・未成年については、異常行動による転落などの万一の事故を防止するため、服用後は少なくとも2日間は小児・未成年者が1人にならないように保護者が常に付き添うなどして予防対策をするようにしましょう。
まとめ
冒頭にも書きましたが、アマンタジンはパーキンソン病や、脳梗塞後の意欲や自発性低下の改善、A型インフルエンザ感染症など、さまざまな症例に対して効果を発揮します。
その反面、服用する際には注意しなければならないことも多いので、お医者さんの話はよく聞くようにしてくださいね。