みなさんはぎっくり腰になったことがありますか? そのネーミングからして相当痛そうな響きがしますが、どことなく、腰の曲がった年配の方に起こるようなイメージをもたれてはいませんか?
実はぎっくり腰の好発年齢は20代~50代ととても幅広く、若年層でも発症する可能性が大いにあるのです。そこで、今回は、ぎっくり腰とは何か、診断方法や予防についてもふれたいと思います。
ぎっくり腰とは?病名は?
ぎっくり腰という名前で認識されていますが、こちらは正式名称ではなく、整形外科や内科での診断を受けると「急性腰痛」や「椎間捻挫」と診断されます。
症状としては、ギクっという音とともに(実際に鳴らなくても鳴ったような衝撃が体に走る)、腰に激痛が走り、立つことも座ることもままならないような痛みが続きます。
また、上体を起こすことが困難だったりと、生活に支障が出てきてしまうのも特徴です。欧米でも「魔女の一撃」という名がつけられており、痛さの特徴は共通しているようです。
音が鳴るというイメージが強いからか、骨の病気や異常だと捉えられがちですが、実際には腰のまわりの筋肉や筋膜、椎間板に問題があることが多いです。
その原因はいまだ解明されていないのですが、さまざまな理由によって起こると言われています。主な原因は以下の3つが考えられます。
- 筋肉疲労
- 骨格の歪み
- 突然の腰への負荷
まず、1ですが、腰の筋肉は毎日使われていますが、デスクワークなどで長時間同じ姿勢であったり、無理な体勢を続けていると筋肉が疲れてしまいます。ストレッチや入浴などで疲労を取り除かないと、たまった疲労がリミットを超え、ぎっくり腰を起こすことがあります。
次に、2は姿勢の悪さなどから体の一部に負荷がかかるような体勢をしていると、筋肉へかかる負荷がアンバランスになってきてしまいます。そこで、過重負荷となった筋肉に1同様、ぎっくり腰が起きてしまうのです。
そして、3は、とくに若い人にも多いのですが、スポーツや、重い荷物を持つ、強い衝撃が加わるなどが原因となり、ぎっくり腰になります。
診断は?どうなったらぎっくり腰なの?
では、どのように診断されるのでしょうか。こんなにも痛みを伴い、おおむね1週間ほどは生活に支障をきたすほどのぎっくり腰ですが、整形外科や内科などで診察してもらっても、レントゲンに何も異常は写っていないことが多いのです。
しかし、症状と起きたシチュエーションが似ていることなどから、問診と視診、触診のみで診断されることもあるといいます。
ぎっくり腰に共通しているのは、先の項でも触れた腰の激痛です。上体を起こせず、歩行も難しくなります。このような独特な腰の痛みを訴えている場合はぎっくり腰が疑われます。
若い人でもぎっくり腰になるの?
冒頭でも述べたように、発症年齢は20代~ととても幅広いです。したがって、若い人でも油断はできません。若い人に多くみられるぎっくり腰は運動中の衝撃や自分の体力を過信して無理な負荷をかけてしまった際に起きることがあります。10代は体が成長段階にありますが、20代になると筋肉も使わなければ衰え、成長も止まってきます。
運動不足が続いたり、体が硬かったりするとぎっくり腰になりやすいので注意が必要です。中高年層に比べると、治癒までの期間は短いですが、治ったと思い、体を動かしてしまい、治りきっていないために、再発を繰り返してしまうということもあります。したがって、ぎっくり腰になったらまずは安静にして完全に回復するまで無理はしないようにしましょう。
ぎっくり腰にならないためには?
では、ならないためには日ごろどのようなことに気を付けるべきか、ポイントをご紹介します。
まず、腰への負担をなくすことです。ぎっくり腰は腰の筋肉疲労や負荷によって生じると聞き、鍛えることが念頭に浮かぶかもしれません。もちろん筋肉を鍛えることも大切ですが、ムキムキな人でもぎっくり腰になることがあります。
大切なのは、筋肉疲労をためないことと筋肉をバランスよく使うようにすることです。そのためにも、同じ姿勢を続けていると気が付いたら、上体を回してみる、伸びをするなど、手軽なものでも良いので、ストレッチしてほぐすようにしましょう。
また、寒さや血行不良も筋肉の働きを悪化させる原因なので、冷やさないように気をつけましょう。
まとめ
なってしまったら、激痛に苦しまされるぎっくり腰。若い人でも十分になる可能性がありますので、日ごろから体を適度に動かしつつ、疲労はためないように心がけましょう。