RSウイルスは感染し、悪化すると重症化する恐れがあるため、できるなら悪化するのを防ぎたいものです。
そこで気になるのがRSウイルスの予防接種があるかどうかです。残念ながら、現在はワクチンというものはありません。
しかし、対象となる新生児や乳児、幼児には症状が悪化するのを防ぐ効果があると言われている薬を注射することができます。
そこで、どのような人が対象となるのかや費用、効果などについて紹介したいと思います。
予防接種を受ける時期は?
RSウイルスにワクチンはありませんが、「シナジス」という薬を投与することでRSウイルスに感染しても軽い症状で済ませることが可能です。
予防接種を受ける時期としては、RSウイルスが流行り始める「流行期(例年10-11月頃)」から投与をすることができます。
そして、投与し始めてから1ヶ月ごとに筋肉注射を行っていきます。期間は、5ヶ月から7ヶ月で、お子さんの状態によって医師が判断します。
予防接種にかかる費用は?
予防接種にかかる費用は、体重によって変わってきます。1回に約156,000円かかり、これが5-7ヶ月分必要となります。
しかし、国が対象と認めたお子さんの場合、保険が適用されるため2割の自己負担で済みます。また、乳児医療の適用がされる場合は無料で注射を受けることができます。
ただし、地域によって健康保険制度に差があるため、投与するときに保険が適用される場合もあれば、一時的に費用の建て替えが必要な場合もありますので、一度医療機関に相談をされることをおすすめします。
ちなみに、健康保険が適用となる対象のお子さんは以下となります。
- お母さんのお腹にいた時期が28週以下のお子さん(生後12ヶ月以下)
- お母さんのお腹にいた時期が29-35週以下のお子さん(生後6ヶ月以下)
- 過去6ヶ月以内に気管支肺異形成症の治療を受けたことがあるお子さん(生後24ヶ月以下)
- 血行動態に以上のある先天性疾患をお持ちのお子さん(生後24ヶ月以下)
- 免疫不全・ダウン症候群などがあるお子さん(生後24ヶ月以下)
予防接種の効果は?
RSウイルスのワクチンは、これは1度投与すればいいというものではなく、RSウイルスに対抗する抗体を体に入れているという注射になります。
効果は、1ヶ月は持続しますが、1ヶ月で抗体がなくなってしまうため、1ヶ月ごとに注射をしなければなりません。
副作用はあるのか?
予防接種の副作用で一番怖いのはアナフィラキシーショックですが、RSウイルスの予防接種では、その副作用は世界で数例のみとなっており、他の予防接種と比較しても副作用が少ないと言われています。
また、シナジスは遺伝子組み換えによってつくられた抗体なので、そこが気になるという方もいるかもしれません。
ですが、臨床試験で安全性と有効性が確認されていますし、RSウイルスに感染し、重症化した方が危なかったりもします。
ですので、保険適用の対象者は、積極的にこの注射薬を打つ方がいいかと思います
まとめ
RSウイルス感染症の予防接種はかなり高価であるため、なかなか予防接種を受けられないという人の方が多いかもしれません。
しかし、保険が適用される可能性のあるお子さんは、重症化する可能性も高いということなので、受けておいた方が安心と言えると思います。