咽頭結膜熱という病気をご存知ですか?アデノウイルスによる感染症の一つで免疫力が低い子供に感染することが知られており、「プール熱」とも呼ばれています。
とくに免疫力が低い乳児や幼児がアデノウイルスに感染すると症状が重くなることもあり看病するときには、いくつか注意が必要となります。
アデノウイルスとは
アデノウイルスは、かつてプール授業の後で症状が表れることから、「プール熱」を引き起こす原因ウイルスと考えられていました。
ですが、現在では、非常に多くの遺伝子型をもったウイルスであることが分かっており、1年を通じて感染する恐れがあることが判明しています。
アデノウイルスの最盛期は、春から夏にかけての時期ですが、冬風邪の原因ウイルスの一つでもありますので、感染予防には手洗いやうがいなどを心がけていく必要があります。
感染時の注意点
アデノウイルスは遺伝子型によって引き起こされる症状も異なりますが、多くの場合、5日から7日の潜伏期間を経て発症します。
プール授業などが行なわれてから1週間以内に体調を崩した場合は、アデノウイルスに感染している可能性が高いので、医療機関で相談するようにしましょう。
アデノウイルスには、遺伝子型の多彩さから抗ウイルス薬やワクチンが存在していません。そのため、アデノウイルスによって引き起こされる症状を緩和させる薬を服用しながら治療を進めていきます。
子供がアデノウイルスの感染症を発症した場合は、看病するときに注意が必要になります。アデノウイルスの感染力はかなり強いので、大人でも症状が表れることがあります。
乳児・幼児の場合の注意点
アデノウイルスの感染経路には、接触感染や飛沫感染がありますが、とくに乳児や幼児の場合、おむつの処理にも気を付けてる必要があります。
便にもアデノウイルスが多く存在しているので、おむつの処理をしている間に感染することも珍しくありません。大人がアデノウイルスに感染した場合、子供よりも免疫力が高いため、症状が表れることがないことも見られます。
しかし、潜伏期間中でもアデノウイルスは感染していくので、家庭に感染者が出た場合は、消毒を行なうのが理想的です。アルコール消毒ではアデノウイルスは殺菌できないので、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒がお勧めです。
次亜塩素酸ナトリウムは、市販の漂白洗剤に含まれている成分ですので、比較的簡単に消毒液を作ることができます。
消毒液の作り方や使用方法は、購入したパッケージに記載されていることが多いのでしっかりと確認しておきましょう。
最後に
最後になりますが、アデノウイルスに感染しているときの食事は、できるだけ胃腸に負担をかけないものを選ぶように心がけてください。
アデノウイルスが引き起こす症状には、腹痛や下痢などの症状もあるので、お腹にやさしい食べ物のほうが負担をかけずに済みます。
また、脱水症を起こさないためにも、水分補給はこまめに行なっていきましょう。